これまで、当社の社内チャットにいる”AI社員”の日常と、AIに勝手なことをさせないためのルールをご紹介しました。
こうした話をすると、よく聞かれる質問があります。
「AIに任せていくと、人の仕事はなくなるのではないですか?」
当社はコールセンター・営業支援・BPO(業務の受託)を手がける会社です。人の力で成り立っている会社だからこそ、この問いには真剣に向き合ってきました。今回は、その答えをお話しします。
実感は「仕事がなくなる」ではなく「仕事が変わる」
AI社員と働き始めて分かったのは、人の仕事がなくなるわけではないということです。変わるのは、仕事の中身です。
AIが得意なのは、次のような仕事です。
・大量のデータを照合し、ずれや食い違いを見つける
・資料や文章の下書きをつくる
・毎月決まって発生する作業を、同じ手順で繰り返す
一方で、AIが苦手なこともはっきりしています。
・事情を知っている人でないと分からない判断
・お客様の気持ちをくみ取ったコミュニケーション
・「どちらが正しいか」を決めて、その責任を持つこと
AIの報告には、必ず「人への確認事項」がある
象徴的なのが、AI社員から上がってくる作業報告です。
たとえば、1,000行を超える架電リストの並びを直したときのこと。AIはずれていた行を並べ直したうえで、「この行は会社名が一致しないので、確認してください」という一覧を必ず添えてきました。
名前が一致しない理由は、入力ミスかもしれません。同じ会社に2回アポイントがあったのかもしれません。AIにはその事情が分かりません。分かるのは、現場で実際に対応した人です。
AIが時間のかかる確認作業を引き受け、人は判断が必要な数件に集中する。この分担によって、人は「確認作業」から「判断」へと時間の使い方を移せるようになりました。
私たちが目指すのは「最適配置」
当社が考えているのは、「人をAIに置き換える」ことではありません。「人とAIを、それぞれ得意な仕事に配置する」ことです。
コールセンターの仕事にたとえると分かりやすいかもしれません。お客様と話し、気持ちをくみ取り、信頼を築くのは人の仕事です。一方、通話の記録を整理する、データを集計する、報告書の下書きをつくる、といった周辺の作業は、AIに任せられます。
人がもっと「人にしかできない仕事」に時間を使えるようになれば、サービスの質は上がります。働く人にとっても、単純な作業に追われる時間が減ることは、前向きな変化だと考えています。
まとめ
・AIで人の仕事がなくなるのではなく、仕事の中身が変わる
・AIは確認や下書き、繰り返し作業が得意。判断やコミュニケーションは人の仕事
・目指すのは「置き換え」ではなく、人とAIの「最適配置」