「AIを導入しました」という話は、もう珍しくなくなりました。ただ、実際に話を聞いてみると、こんな声も少なくありません。
「ChatGPTのアカウントは配ったけれど、使う人と使わない人に分かれている」
「何に使えばいいのか分からず、結局そのままになっている」
当社では、少し違う形でAIを取り入れています。社内のチャットに、AI秘書の「さくら」とAI SEの「アヤメ」という2人の”AI社員”がいます。社員はこの2人に、直接仕事を頼んでいます。このシリーズでは、AI社員と一緒に働く日常と、そこから見えてきたことを、数回に分けてご紹介します。
AI社員は「チャットで仕事を頼める同僚」
さくらとアヤメは、社員が普段使っている社内チャット(Discord)に参加しています。仕事の頼み方は、人の同僚に頼むときとほとんど変わりません。
「この資料を整理しておいてもらえますか」
「このスプレッドシート、並びがずれているので直せますか?」
「来週の会議用に、論点をまとめてほしい」
チャットにこう書き込むと、AIが内容を確認して作業し、結果をチャットで返します。専用の画面を開く必要も、AI向けの難しい指示の書き方を覚える必要もありません。
ここが、AIを”ツール”として配る場合との一番の違いです。ツールとして配ると、「使いこなせる人」と「そうでない人」の差がどうしても生まれます。同僚としてチャットにいれば、誰でも同じように仕事を頼めます。
2人の役割分担
人の組織と同じように、2人にはそれぞれ担当があります。
AI秘書「さくら」
調べもの、議事録の整理、文章の作成、資料やタスクの整理など、経営者や管理職の仕事を支えるのが担当です。
AI SE「アヤメ」
社内ツールの開発、ホームページの修正、データの加工・集計など、システムまわりを担当しています。
役割が決まっていると、頼む側も「これは誰に頼めばいいか」で迷いません。また、それぞれの担当に合わせて、仕事のルール(何をしてよくて、何をしてはいけないか)を決めておけます。
ある日の仕事
ある日、アヤメのもとに「架電リストの並びがずれているので直してほしい」という依頼が届きました。
リストは1,000行を超えます。左側は自動で表示される会社名、右側は担当者が手で入力する対応記録です。後から別のデータが追加されたことで、左右の行が少しずつずれていました。
アヤメは、すべての行の会社名を照合しました。ずれている箇所を見つけて並べ直し、さらに「名前が一致しない行」と「日付が食い違っている行」を一覧にして担当者に報告しました。
人の手でやれば、数時間はかかる確認作業です。ただし、名前が一致しない行は、AIの判断で直してはいません。「どちらが正しいか」は、事情を知っている担当者が判断します。
まとめ
・AIを”ツール”として配るのではなく、チャットで頼める”同僚”として置くと、誰でも使えるようになる
・役割を分けておくと、頼む側が迷わず、ルールも決めやすい
・AIが作業し、人が判断する。この分担が日常の基本
・続編:AI社員に「手が空いたら、担当の社員に具体的な提案をして」と伝えてみたら(代表のnote)
https://note.com/rich_pipit6321/n/n84d7d7948298