営業活動やお客様対応を「すべて自社の人員だけでまかなう」体制は、一見シンプルで管理しやすいように見えます。しかし、事業が成長していく過程では、この「分業しない」体制がかえって成長のボトルネックになるケースを数多く見てきました。今回は、営業活動を分業せずに抱え込むことで起こりやすい3つのリスクと、その回避策についてご紹介します。
リスク1:特定の担当者に業務が集中する「属人化」
新規開拓・既存対応・電話応対などを少人数で回している場合、ノウハウや顧客情報が担当者個人の頭の中にしか残らないことがあります。その担当者が休職・退職した瞬間に、対応品質が大きく落ちたり、これまでの経緯が分からなくなったりする——という相談は少なくありません。分業によって業務プロセスを標準化しておくことは、属人化を防ぐ保険にもなります。
リスク2:新規開拓に手が回らず、機会を取りこぼす
既存のお客様対応や日々のオペレーションで手一杯になり、新規開拓のための架電やアプローチにまとまった時間を割けない——というのは、多くの企業に共通する悩みです。結果として、本来アプローチできたはずの見込み客に接触できず、機会損失が積み重なっていきます。新規開拓という「攻め」の営業活動は、既存業務と並行して片手間で行うには負荷が大きすぎる場合があります。
リスク3:繁忙期・人員変動への対応力が下がる
自社の人員だけで完結させていると、繁忙期の急な問い合わせ増加や、担当者の入れ替わりといった変動に弱くなります。採用・教育にかかる時間を考えると、必要なタイミングで必要な体制を組むのは簡単ではありません。あらかじめ一部の業務を外部と分業しておくことで、繁忙期でも対応品質を落とさない体制を作ることができます。
「分業」は丸投げではなく、体制づくりの選択肢
分業というと「外注」「丸投げ」というイメージを持たれる方もいますが、実際には、自社が注力すべき業務と、切り出しても品質を保てる業務を切り分ける「体制づくり」の選択肢のひとつです。新規開拓のアプローチやカスタマーサポートの一次対応など、標準化しやすい業務から分業を進めることで、社内のリソースを本来注力すべき業務に集中させることができます。
営業活動やお客様対応を「誰か一人に頼る」体制から、「仕組みとして回る」体制へ。まずは自社のどの業務が属人化しているか、棚卸ししてみることから始めてみてはいかがでしょうか。